小説 『明日の私』第2章「赤い川」(4) 十一月半ば、私は退院した。 事故後初めて登校した日。事情を知っているクラスメイトたちが、私が教室に入るなり明るく声をかけてくれた。これからの学校生活を少しでも気兼ねなく過ごすことができるようにと配慮してくれていたのだろう。それに対して、私は... 2024.12.02 小説
小説 『明日の私』第2章「赤い川」(3) 私立は公立に比べて一般的に学費が高い。美智子一人の収入から学費を捻出させるには遠慮があった。私は担任に相談した。「硬式野球部とスキー部と剣道部には体育奨学生の制度がある。その他の部活動でも、優秀な生徒を採るための特別奨学生の枠が若干名分ある... 2024.12.01 小説