2025-10

書評

37.『あられもない祈り』 島本理生著 河出書房新社 2010年6月6日3刷

私は一般化や類型化を好みません。特に芸術に関しては、個別性や特性を見出してこそ作品を楽しむことができると信じています。敢えて芸術に限定したのには訳があります。ある作品が、他の作品と異なる特性を有しているからこそ受け入れられる、評価されるとい...
書評

36.『乳と卵』 川上未映子著 文藝春秋 2008年2月25日第1刷

2007(平成19)年下半期、第138回芥川賞受賞作です。 皆さんは何を参考にして本の購入を決意するでしょうか。例えば、芥川賞や直木賞といった著名な文学賞の受賞作は必ず購入すると決めている方がいるかもしれません。また、雑誌に限らず新聞などで...
書評

35.『スプートニクの恋人』 村上春樹著 講談社 1999年4月25日第2刷

登場人物3人の行動を柱として描かれた物語です。すみれは大学の文芸科に籍を置く作家志望の女性です。彼女は17歳年上の既婚女性であるミュウと出会います。ミュウは自分の名前でコンサートを開くことができるようなピアニストになることを目指して邁進して...