2026-02

『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』第一章「早雪」B12

ようやく弘前西署にたどり着いた。山脇と並んで玄関をくぐり、受付で用件を伝えてから年若い制服組の案内に従った。階段を上がり、二階にある刑事課のドアをノックした。「失礼します。警視庁特別捜査本部の桜田です。ご挨拶にあがりました」 時間が時間なだ...
『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』第一章「早雪」B11

平成不況と呼ばれた時代、『失われた十年』は次の十年にも影を落とし続けていた。「そういうこともあるんでしょうね。何らかの事故で在校生が死ぬこともあるでしょうし」 出張先ではレンタカーを利用することが多い。運転が比較的好きな桜田にとって、知らな...
『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』第一章「早雪」B10

◆ 二月二十日、月曜日。昼前に八戸駅に着いた。岩手県を通り抜ける間に車窓から目にしてきた雪景色とは異なり、八戸駅周辺には雪が積もっていなかった。その代わりなのだろうか、風が強い。駅のホームに立つ人々がみな一様に首をすくめ、コートの裾を翻して...