『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』第一章「早雪」A2

倉科は息を呑んだ。 記憶の中の、達樹の虚ろな目がこちらを見ていた。体に突き刺さったナイフによる痛みで、その顔が歪む光景が脳裡に浮かんだ。 言葉を発しない倉科に業を煮やしたのか、桜田がさらに言葉を重ねた。「どんな生徒でしたか?」「簡単には話せ...
『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』第一章「早雪」A1

「夕方、本庁から電話があったの。またかけ直すって言ってたけど、心当たりはある?」 帰宅の挨拶を交すなり、妻の環たまきの報告を聞く。 本庁。ついそんな言い方をしてしまう環を、倉科は笑った。環もつられたように笑った。「本庁はないだろ。警察って言...
『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』「序章」

凡例:本ブログに掲載するにあたり、以下のように設定した。・この物語は「倉科」の視点から語られるsideAと、「桜田」の視点から語られるsideBに分かれ、交互に編まれている。同じ章内のsideAとsideBは、対を成す構造になっている。・A...