小説 『明日の私』第2章「赤い川」(1) 私は毎日空を見上げていた。 右の手足が硬いギブスにおおわれた状態で、ベッドに横たわったままできることといったら、アルミサッシに四角く区切られた空をぼんやりと見上げるくらいのものだった。左手で頭上にかざせば本を読むこともできたが、長時間同じ姿... 2024.11.29 小説