小説 『明日の私』第10章「保奈美」(2) 「美夏ーっ」 自転車をこぐ足を止めて声に振り返ると、道の向こうに保奈美の姿が小さく見えた。美夏は自転車を降りて保奈美を待った。小柄な彼女の足が、せかせかと自転車をこいでいる。その光景は早回しのフィルムを見ているようで面白かった。「保奈美、ど... 2025.01.15 小説