小説 『明日の私』第10章「保奈美」(4) 「ひどいでしょ、家」 溜息の中から言葉を発した、そんな話し方だった。「ちょっとびっくりした」「だよね」 保奈美は川の方に視線を飛ばした。「自分が育ってきた家なのに、中にいるのが嫌でさ。長い時間一人でいられないんだ」「で、ここに来るんだね」「... 2025.01.17 小説