小説 『明日の私』第10章「保奈美」(6) 家に着くと、美智子が玄関先にまで迎えに出ていた。「ちょっと遅かったね。もうそろそろ来るころかと思って外に出てみたの」 私はアパートの駐輪場に自転車をとめた。陽の光がまぶしすぎてうつむき加減に視線を落とした私からは、美智子の表情をうかがい知る... 2025.01.19 小説