小説 『明日の私』第10章「保奈美」(7) 「合宿はどうだった? 勉強ははかどったの?」 夏の午後。美智子と私は食卓をはさんで向かい合った。食卓の中央にはそうめんを盛った大皿が置かれ、私の手元の透明なガラスの小鉢にはつけ汁がそそがれた。それが窓から差しこむ日差しを浴びて、濃褐色の透明... 2025.01.20 小説