小説 『明日の私』第11章「なりたい私」(5) 「あの六番、齋藤だよな? 普段と全然違わねえ?」 勇児が、クラスメイトの齋藤の動きに目を見張っている。「そうだね」 私はフロア全体の動きを早くつかみたくて、意識を集中していた。コートから目を離さないまま、勇児の言葉に曖昧に応じた。 そのまま... 2025.01.29 小説