小説 『明日の私』第14章「それぞれの道」(1) この年の冬は長かった。 私が勇児の告白を受けた日から雪が降り続いた。記録的と銘打たれた寒波が繰り返し上空を覆おおい、冬型の気圧配置によって生み出された分厚い雲が、東北地方からなかなか離れていってくれなかった。もう空の青など忘れてしまいそうだ... 2025.02.16 小説