小説 『明日の私』第3章「しょっぱい味噌汁」(3) やがて秋が過ぎ冬を迎えた。 その年の冬は例年にも増して積雪が多かった。美夏が住む北国の小都市では、除雪のための費用に充てていた予算を二月末には使い果たしてしまっていた。 例年ならばたとえ二、三日雪が降り続いたとしても、そのあとに晴れ間がのぞ... 2024.12.07 小説