小説 『明日の私』第7章「母」(2) 夏休みだからなのだろう。書店の駐輪場にはいつもより多くの自転車とめられていた。私のものとその隣の自転車が作り出していたささやかなスペースにまで、別の自転車の前輪が楔くさびのように差し挟まれていた。 私は腕を駐輪場の奥に向けて伸ばし、自分の自... 2024.12.24 小説