小説 『明日の私』第9章「合宿」(5) 「何かさ、すごく楽しいよね」 昇降口横の水道で、私と並んで手を洗っていた保奈美が言った。「そうだね」 何の気なしにそう言って横を見ると、保奈美が笑顔のまま、声を殺して泣いていた。「保奈美、どうしたの?」 驚いて問いかけた私に向かい、保奈美は... 2025.01.07 小説