小説 『明日の私』第9章「合宿」(6) 腕の時計は十一時半を示していた。夏の夜の蒸し暑く真っ暗な中に、自動販売機が自らの放つ光によってぼうっと明るく浮かび上がって見えた。小銭を入れてボタンを押した。ペットボトルがガコンという音を立てて取り出し口に落ちた。柏木が消灯時間として設定し... 2025.01.08 小説