小説 二人静11 常夜灯の明かりが部屋を橙色だいだいいろに染めていた。その薄暗がりに、座ったままの自分の体が溶け入ってしまいそうに思える。清美は手の平を広げてみる。そこに本当にそれがあるのか、確信がもてない。手の平の形を結んでいた像が、少しずつ少しずつ輪郭を... 2024.06.05 小説