小説 二人静2 秋と冬を越え、春を過ぎて再び初夏を迎えた。 この季節、客室に活けるための山野草には事欠かない。まだ小鳥たちのさえずりさえ響かない早朝、女将と連れ立って裏手の山林に浅く分け入ることが日課になっている。 ふと、足元の可憐な白い花に目が留まった。... 2024.05.27 小説