小説 二人静8 清美は彼女が手にした猪口に徳利を傾けた。酒で満たされた小さな器を、彼女はそっと桃色の唇に運んだ。目を見開いたかと思うと、ほんとだ、美味しいとつぶやいた。 分らない者同士、酒の話を楽しんでいると、暖簾のれんの向こうから声がした。料理が出来上が... 2024.06.02 小説