小説 蓮花12 耳慣れているのだろう。あの人が盆を持ってカウンターから厨房に移った。そしてすぐに戻ってきた。再びぐるりとカウンターを回り、空いた皿を下げ、次の料理を置いた。手元に視線を落とす。湯気と一緒にふわりと香るのは、焦げた醤油と魚の匂いだ。「うわっ」... 2024.10.11 小説