小説 蓮花20 「他にお客さんがいないことは気にしないでください」 あの人の声に、ふと我に返った。瞬間的に隣の席の背に掛けていた上着に手を伸ばした。「それでは?」 そう言いかけると、あの人が手で佳佑の動きを制した。「もう、お店は閉めましたから」 動き出そう... 2024.10.19 小説