小説 蓮花4 あの店はどうなっているだろうか。 夏椿の枝を剪定鋏で整えながら青い空を仰ぐと、ふとそんな思いが下りてきた。 都内にあるはずのその店を一度も訪れたことはない。店構えや暖簾を見たこともない。知っているのはあの人の存在だけだ。 テレビを点けるたび... 2024.10.03 小説