小説 百日紅1 節分を過ぎるといよいよ春が恋しくなる。しかし、北国の冬はこれからが本番だ。 海峡からの風は重い湿り気を孕はらみ、八甲田の山並みにぶつかって大量の雪をもたらす。大地を吹き渡る風は横殴りに雪を走らせ、視界を真っ白に染め上げることも珍しくない。 ... 2024.08.19 小説