小説 百日紅5 おそらく小学校の低学年のころだったと思う。風で流されてきたのだろう。雪が舞っているのに頭上に雲はなかった光景が思い出される。 冬の凛と澄んだ空気の向こうに、不似合いにも大きな夕日があった。幼い自分の頭や肩に白い綿が降り積もり、その体全体を夕... 2024.08.24 小説