小説 百日紅7 やがて社屋に着いた。 一つ目の自動ドアを入ると、脇の小部屋に人がいた。「このビルの安全を守ってくれている人だよ」 父が軽く手を挙げると、男性はご苦労様ですと口にしながら、制帽の下で柔らかく微笑んだ。父と男性の間には、それなりの気安さと礼儀が... 2024.08.26 小説