百日紅 第7回

『咲く野の日暮れは』「百日紅」

百日紅7

やがて社屋に着いた。 一つ目の自動ドアを入ると、脇の小部屋に人がいた。「このビルの安全を守ってくれている人だよ」 父が軽く手を挙げると、男性はご苦労様ですと口にしながら、制帽の下で柔らかく微笑んだ。父と男性の間には、それなりの気安さと礼儀が...