小説 百日紅9 父親の入院を知らされたのは、年が明けて一月も半ばを過ぎたころだ。 六十代前半に脳梗塞で倒れて以来、父の左半身には麻痺が残っていた。十年以上にわたってリハビリに取り組みながら、日常生活は一人でそれなりにこなすことができていた。しかし、前年の九... 2024.08.27 小説