小説 月見草13 柏木は言葉を失った。揺るぎない自信を纏まとった望月の対岸で、不安におののく自分の姿を思い知らされた。ふと、何かの結び目がほどけたことで溜息がもれた。「夢、ですか」 言葉がぽつりと口をこぼれ落ちた次の瞬間、柏木は叫び出しそうになった。 フラッ... 2024.09.23 小説