小説 月見草9 望月は手元の酒を飲み干した。「これ、いいね」 望月がカウンターの向こうに声をかける。美夏は手を休めないが、吐息のような笑みをこぼした。「好みでしょ?」「うん。もうひとつ」「はい」 美夏は新たに酒を満たした徳利を望月の前に差し出し、ぐい呑に注... 2024.09.20 小説