『永遠の花嫁』第四章A6

『永遠の花嫁』

『永遠の花嫁』第四章「牡丹雪」A6

◆ 三月十日、土曜日。藤本のクリニックをあとにしたのは、夕方の四時少し前だった。 空はわずかに青を残し、風はさらりと乾いている。胸が押し潰されるような重苦しい話に気がふさいでいてさえ、肌に触れる風が心地いい。その感覚が皮膚だけでなく体の中に...