2026-09

書評

58.『村上春樹 雑文集』 村上春樹著 新潮社 2011年1月30日発行

少し古い話になりますが、2015年12月31日、大晦日のことです。何かにつけ1年を振り返る機会でもあり、次の年への展望を抱くタイミングでもあります。この年は実にさまざまな本と出会いました。ジャンルはもちろんですが、それぞれの本から受けた影響...
書評

57.『地獄変・偸盗』「地獄変」 芥川龍之介著 新潮庫 令和4年6月20日115刷

私の読書にまつわる習慣のひとつに、「繰り返し読み」があります。その名の通り気に入った作品を繰り返し読むというものです。私が勝手に命名しました。以前、同じ『地獄変・偸盗』に収められた「偸盗」について書きましたが、同じ本に収められた短編でありな...
掌編小説

朝顔

七月下旬の砂利道は白く乾いていた。 時折肌を撫でるように寄せる風は細かな砂をはらみ、わたしのむきだしの足をうすく汚した。 晴れわたる空から照りつける陽光が、じりじりと肌を灼やき続けている。 ランドセルと背中の間で汗に濡れた服が肌に貼りつく。...
書評

56.『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン著 池央耿訳 創元SF文庫 新版2026年1月23日7刷

私は基本的に、SF映画がとても好きです。SFは文字通りファンタジーということになります。そのなかでも宇宙を舞台にした作品については、地球に住む人類が知る科学的な事実をはるかに飛び越えた、想像の世界に思いを馳せることに胸が躍ります。舞台が宇宙...